Diary 雑記

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正月三が日、妻と僕はほとんどの時間をベッドで過ごした。ベッドでテレビを見たり、食事をしたりして、だらだらと過ごしていたのだ。

そんな正月の過ごし方は初めてだったけれど、かつてないほどに楽しかった。

来年もこんなふうにして過ごそう。僕たちはそう話し合った。

その三が日のあいだに、僕はベッドヘッドにもたれ、「去年の自分たちの三大ニュースは何だろう?」と考えた。

その第三位は「甘い鞭」だろうか。

「甘い鞭」が発売されたのは2009年の5月のことで、僕にとってはかなり過去の作品という感じになる。だが、去年はこの「甘い鞭」がよく売れた。売れただけでなく、「別冊漫画ゴラク」という月刊のコミック誌での連載も始まったし、石井隆監督による映画も撮影された(公開は今年の8月だと聞いています)。

僕は毎月、「別冊漫画ゴラク」の発売をワクワクしながら待っている。映画が完成するのも間もなくで、その試写会も楽しみにしている。こんなに楽しい思いをさせてくれるなんて、「甘い鞭」は本当に親孝行な作品である。

さて、三大ニュースの第二位は、新居探しだろう。

この東京都町田市の家はアメリカに行っている妹夫婦のもので、僕たちは彼らの不在中の留守番という感じである。今年の夏前にはその妹夫婦がいよいよ帰国する。というわけで、気の早い妻は昨年の後半から新居探しを始めた。

「いつかは、横浜のみなとみらい地区に住みたい」

それが妻の夢である。

横浜市西区みなとみらいという横浜港に面した埋め立て地には、10棟ほどの超高層タワーマンションが聳えていて、妻は昔からそこに住みたがっていたのだ(みなとみらい地区のタワーマンションの高層階には「愛されすぎた女」の岩崎一郎や、「甘い鞭」の岬奈緒子も暮らしていましたね)。

それで「よし、みなとみらいに引っ越そう!!」ということになり、さっそく部屋を探したのだが……これが思ったより難航した。

前述したように、みなとみらい地区には10棟ほどのタワーマンションが聳えている。だが、その中で「ペット可」という建物は、たったの2棟しかないのだ。おまけに、この2棟でもペットの飼育が許されているのは、7階・10階・24階・28階・29階しかないのだ。

高層マンションに暮らすのに、下層階に住むというのは、少しもったいない気がする。とはいえ、28階と29階はとても高価で、売れない作家には手が出ない。

僕たちは24階限定で部屋を探した。

ただ、このタワーマンション、たとえ高層階とはいえ、眺望のいい部屋は少ないのである。たいていはほかのタワーマンションが目の前に聳えているのだ。

だが、ようやく、いい物件に出会うことができた。横浜港と東京の大都会を一望できる素晴らしい眺望の部屋である。

「よし。ここにしよう」

僕たちはそう考え、不動産会社に申し込んだ。けれど……何と、僕たちが申し込む直前に、別の人たちがその部屋への入居を申し込んでしまった。

僕たちはなおも、みなとみらい地区のタワーマンションの部屋を探した。けれど、高層階で眺望が抜群、そして、ペット可という物件は、二度と現れなかった(猫どもがいると、人生の選択肢が狭まりますね)。

そんなわけで、みなとみらい地区に暮らすという夢は、呆気なくついえてしまったのである。

新居探しは振り出しに戻り、結局、僕たちは横浜市青葉区に暮らすことになった。今年の二月にはここに引っ越す予定である。

そして、三大ニュースの第一位は、文句なしにノボルである。

「お菊」のコーナーにはしばしば書いているが、このノボルという猫が、とてつもなく手がかかるやつなのである。ノボルのおかげで、20年以上にわたって続いて来た僕たち夫婦の静かな生活は、完全に乱されてしまったのだ。

「こんな猫、飼わなければ良かったね」

僕たち夫婦は、しばしばそう口にしている。

けれど、今となっては、ノボルは大切な我が家の一員である。もうノボルのいない生活など考えられないのだ。

これが僕の去年の三大ニュースだが……一年後にはどんなことが今年の三大ニュースになるのだろう?

僕は浮き草家業で、未来のことがわからない不安定な身分ですが、先のことがまったくわからないということが楽しくもあるのです。

みなさま、今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

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