Diary 雑記

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一ヵ月半にわたって新作の構想を続けている。徳間書店の新作長編小説の構想である。

僕はストーリーを構成するのが苦手な作家なので、新作の構想はいつだって、とても苦しい。けれど、今回はこれまでにないほどに苦しんでいる。

小説の執筆を開始する前に、僕はいつも、とても詳細なプロット(あらすじ)を書いている。長編の場合は、原稿用紙に換算すると、100枚近いプロットだ。編集者たちにはよく、「こんなに詳細なプロットを書く作家は、たぶん、ひとりもいませんよ」と言われる。

だから、今回もいつものようにプロットを書き始めた。

けれど、書いているうちに、どうしても行き詰まり、結局はそれを破棄して、別のものを書き始めた。けれど、それも書いている途中で行き詰まり、また破棄してしまった。

新しいものを書いては破り捨て(実際には破り捨てませんが)、書いては破り捨て、書いては破り捨て……この一ヵ月半でそんなことを、実に5回も繰り返した(今は6本目のプロットを書いています)。

最近はひどく頭が混乱しているせいか、過去形と現在形の使い分けもよくわからなくなった。それどころか、一人称と三人称の使い分けさえ曖昧になった。

「今まで、どうやって書いてきたんだろう? 僕にはもう小説は書けないのではないだろうか?」

このひと月半のあいだ、毎日のように僕は思った。職場に行けばやることが決まっているサラリーマンや、公務員の友人たちを羨みもした。

プロットが書けない日々の中で、就職をすることさえ考えた。こんなに苦しいのなら、作家なんて辞めてしまおうと思ったのだ。

けれど、すでに53歳になったおじさんに、まともな働き口などないだろう。僕は注意力が散漫で、すぐに夢想の世界に行ってしまうから、交通誘導や駐車場の整理係もできないだろう。

しかたがない。書くしかない。

そう考え直し、僕は日々、机に向かい続けた。今も向かい続けている。

きょうこそ、何か、考えつきますように。

今、僕は祈るような気分で机に向かっているのです。

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