Diary 雑記

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8月に角川ホラー文庫から発売になる「百二十歳の少女 古美術商・柊ニーナ」も手を離れ、僕は今、光文社文庫への新作の構想に励んでいる。

新作の構想にはいつも、とてつもなく頭を悩ませる。しばしば書いて来たように、小説を書くのは大好きなのだが、ストーリーを考えるのが苦手なのだ。

特に今回は、光文社のふたりの担当者が「できればシリーズ化できるようなものを」という注文を出して来た。それがさらに悩みを深いものにしている。

それでも、プロットを書くたびに、僕は担当編集者に送って来た。もう3作くらいになるだろう。

けれど、その3つのプロットは、どれも担当編集者に気に入ってもらえなかった。つまり「ボツ」である。

四半世紀近く小説家として生きて来たがこんなことは初めてである。

このところずっと、一日中、机に向かい、何ひとつ前進できないままに夜を迎えている。

そんな時には、とてつもなく不安な気持ちになる。もちろん、「きょうもよく働いた」という充足感はまったく得られず、夜のお酒もあまり美味しくない。

こんなことが何日も続くと、気持ちも落ち込んで来る。

ああっ、きょうも何も思いつかなかった。

がっかりである。

それでも、僕はきょうもパソコンに向かって、「ああでもない」「こうでもない」と新作の構想を続けている。

苦悶の日々の連続ではあるけれど、「小説を書いて生きる」ということは、きっとそういうことなのだろう。

だとしたら、こういう日々をすごすことが赦されるということは、幸せだと感じなければならないのだろう。

そう。サラリーマンだった頃の僕から見れば、今の暮らしは夢のようなものなのだ。

さあ、頑張ろう。何とか、担当編集者に気に入ってもらえるものを、そして、読者のみなさんに喜んでもらえるものを書こう。

そう思って、僕はきょうも必死で構想に励んでおります。きょうこそ、何か、素敵なアイディアが降臨しますように。

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