Diary 雑記

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 生まれてこの方、「初日の出」というものを見たことがない。

僕は極端な天の邪鬼なので、「みんなが見たがるものは見ない」ことに決めているのだ(なぜか、妻も同じ意見だ)。

そもそも僕は朝が苦手なので、47年の人生で、普通の日の出さえ見たのは数えるほどしかない。

僕が「初日の出」を見ることは、これからもないだろう。

だが、その代わり、毎年のように「その年の最後の日の入り」は見ている。

「最後の夕日」は我が家のベランダからもよく見える。12月31日にベランダから見える夕日は、大磯と平塚のあいだにある「高麗山・こまやま」に沈む。

それはそれで、息を飲むほどに美しい。

だが、やはり海で見る夕日の美しさにはかなわない。

そんなわけで・・・今年も妻とふたりで平塚海岸に「最後の夕日」を見に行った。

「初日の出」とは違って、「最後の夕日」に興味を持っている人はほとんどいないのだろう。犬を散歩させる人と釣り人のほかに、海岸には人の姿がほとんどなくて、打ち寄せる波の音ばかりが響いていた。沈み行く太陽が穏やかな海面に、一本の太い光の道を作っていた。

ほとんど毎年そうしているように、妻と僕は波打ち際に佇んで、2008年最後の日の入りをぼんやりと眺めた。

不妊治療を終えた妻が何を考えていたのかは、わからない。

僕のほうはただ、「来年のきょうも、今と同じ気持ちで迎えられたらいいな」と思っていただけである。

やがて夕日は西の空を朱に染めて沈んだ。

けれど、妻と僕はなおも長いあいだ、波打ち際に佇んだまま、だんだんと暗くなっていく空と海とを眺めていた。

写真は妻が撮影した「2008年最後の日の入り」です。みなさま、今年もよろしくお願い致します。

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