Diary 雑記

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気晴らしと運動不足の解消を兼ねて、5年半ほど前から妻とふたりで平塚駅南口のスポーツクラブに通い、ランニングと水泳を続けている。

土曜・日曜と、夜は混雑するので、たいていは平日の午後3時半か4時頃に行き、混雑が始まる6時には帰る。

当たり前のことだが、平日のそんな時間にスポーツクラブに来ているのは、主婦らしき女性たちと、定年後と思われるおじさんたちばかりである。

だが・・・そんな中にちらほらと、30代、40代、50代に見える男たちが混じっている。

たまに見かけるのではない。30代、40代、50代の男たちの何人かは、ほとんど毎日のように平日の午後のスポーツクラブに通ってマシントレーニングに励んでいるのだ(どういうわけか、そういう男たちのほとんどは筋肉隆々のマッチョマンである)。

「あの人たち、いったい、どんな仕事をしているんだろう?」

人のことなんか、どうでもいいのに、妻と僕はこの5年半、毎日のようにそんなことを話し合っていた。

医者だろうか? エアラインパイロットだろうか? あるいは、僕みたいな自由業なのだろうか?

5年半も通っているのだから、僕もそんな男たちのほとんどとは顔見知りだ。だが、僕は軽く会釈をする程度で話をしたりはしなかった。だから、いつまでたっても、彼らの職業は不明なままだったのである。

だが、たぶん、そんな男たちも僕たちのことを不思議に思っていたのだろう。夫婦で毎日スポーツクラブに通っている人たちなんて、僕たち以外にはほとんどいないし、僕もまた定年後という年齢には見えないはずだから・・・。

そして、つい半月ほど前・・・ロッカーでいつも一緒になる男の人のひとり(上半身の筋肉モリモリのおじさんです)が、挨拶のあとで「失礼ですが、どんなお仕事をなさっているんですか?」と僕に質問して来た。

「はい。小説家です」

僕が言うと、その人はとても不思議そうな顔をした。

それで僕は失礼にも、「小説家というのは、小説を書く仕事です」と言った。

そうしたら、その人は「わかってるよ!!」と言って笑い、僕の名前を聞いて来た。

その日はそれで別れたのだが、翌日・・・その人はさっそく、「湘南人肉医」を買って来てくれた。翌日からも次々と僕の本を買っては、いろいろと感想を聞かせてくれた(今ではほぼ、全冊読破のようです。この人は読書家です)。

その人はとても社交的な人で、スポーツクラブの常連さんたちとも仲良しだ。で、そんな仲間たちに僕のことを話し、僕の本の貸し出しを始めたらしい。

そんなわけで、スポーツクラブに通う30代、40代、50代のマッチョマンたちの多くが、今では僕の本を読んでくれている。そして、僕に親しく話しかけてくれるようになった。

話をしてみれば、何ということはない。

30代、40代、50代の男たちのほとんどが自営業で、時間とお金の余裕があるのだという。前から僕に話しかけようと思っていたが、僕は妻と一緒だからそうしなかったらしい(僕のことを、愛人を連れて来ている、あやし気なやつと思ったようです)。

そんなわけでこの頃は、スポーツクラブに仲間がいっぱいできました。

みなさん、読みたくもないはずの僕の本を、付き合いで読んでいただいて、ありがとうございます。

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