Diary 雑記

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時事通信に勤務している妹の夫のワシントンへの転勤が決まった。それにともない、我が家にも急に引っ越しの話が持ち上がった。

妹夫婦が渡米している4年のあいだ、空家になったその家に僕たち夫婦が移り住もうという計画である(もちろん、家賃は払うんですよ)。

妹夫婦が購入したばかりのその家は、狭いながらも庭付きの一戸建てである。場所は東京都の町田市で、田園都市線の「つくし野駅」と横浜線の「成瀬駅」とのほぼ中間点、僕の実家からだと徒歩5分ほどのところである。

家庭菜園を趣味としている僕の妻は、この話に「乗り乗り」である。今まで菜園に行くには、クルマで20分以上もかかったから、目の前に自分の畑を持てることが嬉しくてならないのだ。

僕は執筆の場所を選ばない作家なので、住む場所にこだわりはない。だが、妻の嬉しそうな顔を見ていたら、僕までが「乗り乗り」になってしまった。おまけにそこに引っ越せば、僕の書斎ができるらしいのだ!!

ああっ、書斎。

なんて素敵な響きなんだろう!!

そんなわけで、この話はにわかに現実味を帯びて来た。早ければ7月には、遅くとも8月には、僕たちは町田市への引っ越しを敢行することになりそうである。

もちろん、心配事がまったくないわけではない。

僕はこれまで、ほぼすべての小説をこの平塚のマンションの部屋で、江ノ島の灯台や湘南の海を眺めながら書いて来た。

だが、これから移り住むことになる町田市には海がない。

そんな環境で書けるのだろうか? 作風が大きく変わったりしないだろうか?

温暖な湘南地区とは違い、町田は寒暖の差が大きい土地である。そんなところに暮らして、体調を崩したりしないだろうか?

結婚してから20年近くここで暮らして来たので、僕にはこの部屋への思い入れもある。

マンションの10階にあるこの部屋からの眺めが僕は大好きなので、ここから離れるのが寂しいのだ。

それに自分が育った町田市という場所が、僕はあまり好きではない。町田という土地にはロクな思い出がないのだ。というより、山に囲まれた町田が嫌で、逃げ出すように僕はこの海辺の街に住み着いたのだ。

それでも、実は、そんなに深く心配しているわけではない。もし、うまく書けなくなったら、またここに戻ってくればいいだけのことだ。それに環境が変わったほうが、かえっていいものが書けるかもしれない。

僕はついに引っ越しを決意した。

みなさま、今後は多摩地区での殺人鬼たちの活躍にご期待下さい。でも、ずっと町田に暮らすわけではなく、遅くとも4年後にはまた平塚に戻って来ます。

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