Diary 雑記

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結婚する少し前、1990年の雛祭りに、すでに一緒に暮らしていた妻に、僕は水槽をプレゼントした。とても小さな熱帯魚用の水槽である。

最初の頃はそこにネオンテトラなどの熱帯魚がいたのだが、数年前から妻はその水槽で金魚を飼うようになった。金魚は3匹、クロデメキンと三色デメキン、それにピンポンパールという真ん丸の金魚である。

金魚は小さな熱帯魚に比べるとずっと丈夫で、妻にもよく懐いていた。妻はそれぞれに「クロ「三色」「ピンポン」という名前を付けて、毎朝、「クロー!!」「三色ー!!」「ピンポーン!!」と、名前を呼びながら指から直接、金魚たちに餌を与えていた。

金魚はどれもとても大きくなって、どれもまるまると太っていた。

だが、4月に入った頃に、前から体調が悪かった三色デメキンがついに死んでしまった。妻はかなりショックを受けていた。

それでもショックから立ち直り、ゴールデンウィークの少し前に今度は「トラデメキン」という金魚を仲間に迎えた。名前はもちろん「トラ」である。

だが、これがいけなかった。このトラデメキンが我が家の水槽に「白点病」を持ち込んだようなのである。

白点病は瞬く間にほかの2匹に伝染した。僕は慌てて金魚屋に行き、白点病の治療薬を買って投入した。インターネットで白点病の治療法も調べ、水温を上げ、食塩も投入した。

だが、その甲斐もなく、初めにピンポンパールが死に、翌日にはクロデメキンで死んでしまった。そして、いったんは回復したかに思えたトラデメキンまでが、10日ほどあとに死んでしまったのだ。

そんなわけで、我が家の水槽から金魚は1匹もいなくなった。

たかが金魚である。だが、我が家には僕たち夫婦とチンチラの「お菊」のほかには、この3匹の金魚と、プロトプテルス・エチオピクスという巨大化した肺魚しかいなかったから、このショックは大きかった。まるで子供が死んでしまったかのようであった。

「また金魚を飼おうか?」

僕は妻に訊いてみた。

でも、妻は「もう、いいや」と言うだけである。

そんなわけで僕たちは、今年は少し寂しいゴールデンウィークを過ごしました。それでも、もうしばらくして喪が明けたら、また新しい金魚を迎え入れようと思っています。

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