Diary 雑記

109:ハサミでばっさり

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チンチラの「お菊」と、ノルウェージャン・フォレストキャットのノボル。性格は対照的だが,似ているところもある。そのひとつは、どちらも長毛の猫だということである。

短毛種にはブラッシングやコーミングは必要ないらしい。けれど、長毛種はそうではない。ブラッシングもコーミングもせずに放っておくと,身体のいたるところに大きな毛玉ができて,とんでもないことになってしまうのだ。

というわけで、我が家では金属製のクシを使って,猫どものコーミングをしている。妻は家事や経理や、自分が美しくなることに忙しいので,猫のコーミングは昔から僕の仕事である。

ノボルはやんちゃではあるが、明るくて穏やかで、とても性格のいい猫だから,このコーミングは楽である。本当は痛い時もあるようだが、決して噛んだり引っ掻いたりはしない。時々,可愛い声で「にゃーっ」と鳴くぐらいである。

けれど、けれど、「お菊」は性格がきつい上に,身体に触られるのが大嫌いなので、「お菊」のコーミングは一仕事である。

僕はいつも、叫び声を上げて激しく抵抗する「お菊」を押さえ付け,噛まれたり,引っ掻かれたりしながら、喧嘩でもするかのように金属製のクシで必死にコーミングをする。

「お菊」は本気で噛むし,本気で引っ掻く。なので,コーミングが終わった時には、僕はいつも傷だらけである。

僕は丁寧にコーミングをしているつもりなのだが、「お菊」は本当に暴れるので,やはり、やり残しができてしまう。そして、そこに毛玉が発生してしまうのである。

この毛玉,一度できてしまうと、なかなかほぐれない。しかたなく、僕はハサミで毛玉を切っていた。

ハサミで切るのは毛玉なのだから,痛いはずはない。それにもかかわらず,「お菊」は大声で叫びながら大暴れをする。「お菊」の右脇の下の皮膚をハサミでばっさりと切ってしまったのは、そんな時だった。

傷の大きさは3センチから4センチ,皮膚がぱっくりと開き,内部の赤い肉が見えていた。

その傷を見た僕はパニックに陥りかけた。血みどろのシーンをしばしば描いているというにもかかわらず、僕は血や傷を見るのがダメな男なのだ。

「お菊」の傷を見た妻も,僕と同じように驚いた。

そして、ふたりで慌てて「お菊」をクルマに乗せ,動物病院へと向かった。

それほど大きい傷にもかかわらず,幸いなことに出血はごくわずかだった。不思議なことに,「お菊」は痛みもまったく感じていないように見えた。

動物病院での「お菊」は局所麻酔をかけられ、傷口の縫合手術を受けた。5針を縫うような大怪我である。

僕の責任で「お菊」に大怪我をさせてしまった。

僕はしょんぼりとしてしまった。

動物病院の院長によれば,長毛種の猫の毛玉をハサミで切ろうとして,僕のように皮膚を切ってしまうという事故は,実はかなり多いようだった。

「喧嘩した怪我より,ハサミのほうがマシですよ」

その言葉に,僕はほんの少し慰められた。

さて、「お菊」の怪我は10日で完治したが,僕はコーミング担当の仕事を解任され,妻が新しい担当をすることになった。罷免である。

「できることが、また少なくなったわね」

今も妻は僕の脇で,猫どものコーミングをしながら、嫌みな口調でそう言っている。

あーあ。猫の毛玉の世話もできないなんて……まったく、情けない気分です。にゃーお。

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