124:猫が喜ぶDVD
我が家の朝食は正午からだが、その時に録画しておいたNHKの朝の連続テレビドラマ「マッサン」を見ている。
そのテーマ曲が流れ始めると、「お菊」がいつもテーブルに飛び乗り、テレビの画面に見入る。中島みゆきさんの歌の途中で、画面を横切る鳥(ハトかな?)を捕獲するのが目的である(ノボルはこの時間はいつも昼寝です)。
ハトが画面を横切ると、「お菊」が身を乗り出す。けれど、うまく捕獲できない(当たり前ですね)。
それで僕たちは「お菊」のために何度も画像を巻き戻し、ハトが横切る映像を見せてやっている(親ばかです。おかげで、なかなか「マッサン」を見られません)。
「マッサン」だけでなく、テレビの画面を鳥が横切ると、「お菊」は敏感に反応する(ノボルは無視してます)。
テレビの鳥にそんなに反応するなら、鳥ばかりが映っているDVDはないだろうか?
そう思った僕たちは、インターネットで探してみた。
すると、あった、あった。ありました。
その名も「猫が喜ぶDVD」。
さっそく、上映してみると……画面を何度も鳥が横切る。鳥だけでなく、ねずみも登場するし、昆虫も登場する。熱帯魚まで登場する。
「お菊」は予想通り、テレビの前に釘付けである。それだけでなく、なんと、ノボルまでがテレビの前から動かなくなってしまったのだ。
このDVD、猫たちが喜んだだけでなく、僕たちにとってもすごく便利だった。
たとえば、妻が料理をしている時、ノボルはいつも妻に付きっきりだった(つまみ食いをしようとしたり、シンクの水を飲んだり、菜箸にじゃれついたり、クッキングヒーターの上に座ったり……ノボルは特に炭水化物に反応するのです)。
ノボルは7.8キロという巨大児なので、付きまとわれた妻は本当に鬱陶しそうだった。
そんな時、「猫が喜ぶDVD」をかける。
すると、ノボルはテレビの前に吹っ飛んで行くのだ。
僕は月に二度ほど、肺魚の水槽の掃除と水換えをする。
この時もノボルが邪魔をし、極めて鬱陶しかった。
けれど、「猫が喜ぶDVD」を購入してからは、この鬱陶しさからも解放された。
そうです。今ではこの DVDは、我が家の宝物なのであります。「猫が喜ぶDVD2」が出ないかな?
いつもの通り、つまらない話でした。
いやーっ。猫って、本当に馬鹿馬鹿しい生き物ですね。にゃーお。