Diary 雑記

145:後ろ髪を引かれる

  • わたしに用ですか
  • Y子さん、こんばんは
  • 無我夢中
  • 遊びの途中で栄養補給
  • 遊び疲れました
  • 冬毛でふわふわ
  • Y子さん、早くーっ!

妻がやっている西洋アンティークの店には、ルイ・イカールやアルフォンス・ミュシャのエッチングが売られている。

18世紀の終わりから19世紀の初頭に書かれた、美しい女性たちをモチーフにしたエッチングである。

僕は特にルイ・イカールに魅了された(イカールが描くのは主に、水商売の女たちや娼婦やダンサーで、舞台はほとんどがパリです。女たちはたいていハイヒールのパンプスやミュールを履いています)。

時代こそ違うものの、僕の小説の作風にとてもマッチしている気がするのだ。

妻もルイ・イカールがかなり好きなようで、たくさんの文献を集め、彼についていろいろと調べていた。

その妻によれば、京都に「ルイ・イカール美術館」があるということだった。

もう少しして落ち着いたら、ふたりで京都のルイ・イカール美術館に行ってみよう。

僕たちはそう決めた。

けれど、改めてインターネットで調べてみると、「ルイ・イカール美術館京都」は春と秋にしか開館されなくて、この秋は12月1日から閉館になるようだった。

僕たちがそれを知ったのは、その閉館日の数日前、11月26日のことだった。

「よし、それじゃあ、あした京都に行こう」

僕たちは急きょ、そう決めた。

最初は日帰りをする予定だった。

「ルイ・イカール美術館京都」までは我が家から430キロほどの距離だから、交替で運転すれば日帰りが可能だと思ったのだ。

でも、またインターネットで調べてみたら、美術館の近くにある「京都東急ホテル」が予約できることがわかった。

さらに、猫シッターのY子さんに連絡をしてみると、急な話にもかかわらず、猫どもの世話を心良く引き受けてくれた。

そんなわけで、僕たちは11月27日の午前中に京都に向かうことに決めたのだが……家を出る前には、後ろ髪を引かれるような思いをした。

朝から出かける支度をしている僕たちに気づいたノボルが、「行かないで」「行かないで」と鳴きながら付きまとうのである(「お菊」の様子はいつもとまったく変わりません。彼女はクールな性格です)。

「にゃー(行かないで)」「にゃー(行かないで)」「にゃー(行かないで)」

ノボルは鳴きまくりながら、妻と僕に付きまとった。

そんなノボルを見ていると、久しぶりの旅を思って浮かれていた気持ちが急速に萎えていった。

妻も同じだったらしく、「行くのやめようか?」とまで言い出した。

ホテルの当日キャンセルはできないし、Y子さんにも今さら「行くのをやめました」とは言えない。

しかたなく、僕たちは玄関でノボルに「すぐに戻るからな」と言い、いやと言うほど抱き締めてやってから家を出た。

京都の紅葉は素晴らしかったし、「ルイ・イカール美術館京都」も素晴らしかった。

けれど、旅のあいだずっと、僕たち夫婦はノボルのことばかり考えていたのでありました。

3月には骨董品の買い出しのために、夫婦でマカオに行く予定だったのですが、僕たちは今、「キャンセルしようか」などと話し合っているのであります。

ノボルがいると、旅に出るのが辛いです。みなさまにもそんな経験はありませんか?

追伸/僕たちが不在のあいだ、ノボルはY子さんがたっぷり可愛がってくれました。今月の写真はすべて、そのY子さん撮影です。僕とは違って、Y子さんは写真がうまいにゃー。にゃーお。

Diary list

Okikusama:150〜159
Okikusama:140〜149
Okikusama:130〜139
Okikusama:120〜129
Okikusama:110〜119
Okikusama:100〜109
Okikusama:90〜99
Okikusama:80〜89
Okikusama:70〜79
Okikusama:60〜69
Okikusama:50〜59
Okikusama:40〜49
Okikusama:30〜39
Okikusama:20〜29
Okikusama:10〜19
Okikusama:1〜9
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