Diary 雑記

81:侵入者あり

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つい先日のことである。

夜、妻と散歩をしていたら、急に携帯電話が鳴った。

電話は警備会社の「セコム」からである。

「たった今、大石さんのご自宅から警報が発せられました。家の中を何者かが歩いているようです」

電話に出た僕に、警備員が切迫した口調で言った。

そう。我が家は警備会社の「セコム」と契約していて、自宅のドアや窓、そして、室内にはたくさんのセンサーが設置してあるのだ。

「空き巣でしょうか?」

僕は尋ねた。

「はっきりとはわかりませんが、少なくとも外部から侵入された形跡はないようです」

警備員が言った。

つまり、ドアや窓のセンサーは反応しておらず、室内のいたるところに取り付けられたセンサーが、家の内部で何者かが動いているのを感知したらしいのだ。

どういうことなのだろう?

もしかしたら、我が家には「アンダー・ユア・ベッド」の三井直人のようなストーカーが潜んでいて、僕たちが外出したのを見計らって、室内をうろついているのだろうか? 我が家のベッドの下には毎晩、そいつが寝そべっているのだろうか?

「セコム」の警備員が自宅の外で待っているというので、妻と僕は散歩を切り上げ、大急ぎで帰宅した。

だが、実を言うと、妻も僕も慌ててはいなかった。

何があったのか、だいたいの想像はついていたのだ。

自宅に戻ると、すでに「セコム」の警備員が玄関前で待っていた。

がっちりとした大柄な若者で、喧嘩も強そうである。

「それじゃあ、一緒に室内を確かめましょう。奥様は危険ですから、家には入らないでください」

「セコム」の警備員が、真面目な口調で言った。

けれど、危険などないことは、僕たち夫婦にはわかっていた。

僕が玄関ドアの暗証番号を操作し、大柄な警備員が恐る恐るドアを開けた。その真剣な姿はまるで、犯人が立てこもっている建物に突入しようとする、特殊部隊の隊員のようだった。

そんな警備員を落胆させたくなくて、僕は「本当に家の中に侵入者がいればいいのに」と思ったほどである。

だが、案の定、玄関のたたきには「お菊」が座っていた。暗がりに目を見開き、警備員のことを驚いた顔で見上げていた。

そうなのだ。思っていたとおり、犯人は「お菊」のやつだったのだ。

僕たち夫婦は外出の時には「お菊」を寝室に閉じ込めて出かける。

寝室の中には、センサーが取り付けられていないからだ。

だが、最近の「お菊」は、寝室のドアを開けることができるようになったらしい。これまでにも何回か、寝室に閉じ込めておいたはずの「お菊が、帰宅した僕たちを玄関で出迎えたことがあった。

それでも、これまではセンサーが「お菊」を感知したことはなかった。だから、放っておいたのだ。

「猫ちゃんが犯人だったんですね」

警備員がほっとしたように笑った。

「寝室に閉じ込めておいたはずなんですが……すみませんでした」

「いいえ。何事もなくて、よかったです」

警備員は爽やかに言うと、報告書を書いて帰って行った。

これで一件落着である。

うーん。だが、「お菊」のやつが、寝室のドアを自由に開けられるとしたら、かなり問題である。これでは僕たちが出かけるたびに、センサーが反応し、警備員が駆けつけてしまうではないか。

そんなわけで僕たち夫婦は今、寝室に鍵を取り付けるか、家の中のセンサーをすべて取り外すか、「セコム」との契約をやめるかで悩んでいるのである。

猫がいる暮らしは、いろいろと面倒ですね。ほかの人たちは、どうしているんだろう? にゃーお。

Diary list

Okikusama:150〜159
Okikusama:140〜149
Okikusama:130〜139
Okikusama:120〜129
Okikusama:110〜119
Okikusama:100〜109
Okikusama:90〜99
Okikusama:80〜89
Okikusama:70〜79
Okikusama:60〜69
Okikusama:50〜59
Okikusama:40〜49
Okikusama:30〜39
Okikusama:20〜29
Okikusama:10〜19
Okikusama:1〜9
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