Works 作品紹介

自分を愛しすぎた女 新作

徳間文庫
2017年4月7日発売
定価(税別):640円

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自分を愛しすぎた女

主人公の今井花梨(いまい・かりん)は32歳。

彼女は幼い頃から、「わたしは特別なのだ」「わたしは何者かになるべき存在なのだ」という強迫観念にも似た思いに駆り立てられている。

けれど、実際の人生は、彼女が思い描いていたようにはなっていない。そのことに、彼女は日々、焦りを募らせている。

こんな思いに囚われ続けている自分が、おかしいのではないかと思うこともある。背伸びなどせず、普通の人々のように生きられれば、人生はもっと楽なのではないかと考えることもある。

けれど、どうしても、そういうふうには考えられない。

今のスタイルを維持するために、花梨は日々、過酷とも言えるダイエットを続けている。体重が40キロに達するとパニックに陥り、40キロを切るまでは何も口にしないことにしている。

身長が165センチの花梨にとって40キロは痩せすぎだ。だが、彼女は「もう少し痩せたい」といつも望んでいる。時に、発作的に過食してしまうことがあり、そんな時にはトイレに駆け込んで吐いている。

かつての花梨はモデルやタレント、女優などになりたいと望んでいた。その後は作家になろうと考えたこともある。

けれど、今の花梨の身分は、大手菓子メーカーの派遣社員にすぎない。

派遣社員としての微々たる報酬では、花梨の望む贅沢な暮らしはできない。それで夜は銀座の高級クラブでホステスとして働いている。

その銀座のクラブには今、花梨目当ての客が定期的に通っている。大手服飾メーカーの御曹司で、幼馴染みでもある佐野林太郎だ。

かつて花梨は佐野林太郎に愛を告白されたこともあった。だが、その時の花梨はそれをあっさりと断っていた。背が低く、ずんぐりとしていて、童顔の佐野林太郎は、当時の花梨の琴線にはまったく触れなかったのだ。

けれど、今は別だ。花梨を「いるべき場所」に連れて行くことができるのは、佐野林太郎だけなのだ。

今夜も佐野林太郎は銀座の店にやって来て、これから一緒に食事に出ようと花梨を誘った。

「もし、彼と結婚できれば、わたしの人生は変わるはずだ」

そう考えた花梨は店を早退し、佐野と一緒に高級ホテル内にある日本料理店へと向かう。

だが、その時の花梨には、これから自分に襲いかかる悲惨な運命にはまったく気づいていなかった……。

一日だけの物語です。かなり僕らしいエロティク・サスペンスになったと自負しております。みなさま、ぜひ、手に取ってください。

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